角田篤志

ヨコハマBJブルースのあらすじ、ネタバレ、キャスト、動画など。松田優作主演。ロケ地、ラスト(角田篤志)

作品紹介「ヨコハマBJブルース」

優作、お前と会うのが楽しみだ!ガッデム、今度は何をやらかすか!?
松田優作と、彼が長年ラブコールを送っていた工藤栄一監督が「アカ抜けたシンプルな作品を・・・」ということで意気投合、オール横浜ロケによる斬新な映像作品に仕上がった。登場人物も演じるキャスト陣も、優作映画ならではのユニークな顔ぶれが集まっている。
監督 工藤栄一 (1981年 112分)

セルDVD:4,725円(税込)東映ビデオ

スタッフ

原案:松田優作
監督:工藤栄一
脚本:丸山昇一
音楽:クリエーション
主題歌:「ブラザーズ・ソング」松田優作

キャスト

B・J [ 松田優作 ]
椋民子 [ 辺見マリ ]
蟻鉄雄 [ 蟹江敬三 ]
近藤明 [ 田中浩二 ]
ヨシヲ [ 山田辰夫 ]
紅屋悟志 [ 山西道広 ]
林ミドリ [ 鹿沼えり ]
日向和美 [ 岡本麗 ]
笹森礼美 [ 吉川遊士 ]
牛宅麻 [ 財津一郎 ]
安永 [ 安岡力也 ]
鳥井 [ 堀礼文 ]
田丸 [ 貞永敏 ]
中国人 [ トビー門口 ]
堀切 [ 殿山泰司 ]
近藤こずえ [ 馬淵晴子 ]
除除 [ 宇崎竜堂 ]
椋圭介 [ 内田裕也 ]

あらすじ(ネタバレ注意)

うらぶれた深夜のブルース・バー。BJはその店の売れないロックシンガーで、ゼニ稼ぎに裏で私立探偵の真似事をやっている。ある日BJは、ゴルフ場の片隅で刑事・椋と紅屋と会っていた。BJと椋は、10年前サウスブロンクスにいた頃からの親友で、椋の女房・民子は、BJの元恋人だった。その時、BJと紅屋の目の前で椋が背後から何者かに撃たれた。BJは紅屋に疑われてしまう。とんだ濡れ衣にBJは、まずファミリーのボディガード・蟻から洗おうと、蟻の男色趣味の相手・ハードゲイ4人組をブチのめす。4人組の一人、鳥井が吐くには、蟻と椋の女房・民子が通じているらしい。蟻を待ち伏せするBJだったが、おかしなことに蟻は暫く外国へ飛ぶらしい。さらに、何者かに射殺された椋刑事の記事がどの新聞にも見当たらない。やがてBJは紅屋に疑惑を抱くのだが・・・。

動画

「ヨコハマBJブルース」の動画です。

予告編

Youtubeの予告編です。
予告編→

松田優作のプロフィール

まつだ・ゆうさく 1950年9月21日山口県下関市生まれ。1973年の「太陽にほえろ」のジーパン刑事役で人気者に。アクションばかりでなく、「野獣死すべし」では、4本抜歯し10キロ減量して、気弱そうな男の狂気を演じるなど、繊細で鬼気迫る演技を見せた。

松田優作の出演作品
<テレビ>
作品 放送局
1973 太陽にほえろ! 日本テレビ
1975 俺たちの勲章 日本テレビ
1977 大都会PART2 日本テレビ
1979 探偵物語 日本テレビ
1982 春が来た テレビ朝日
新・事件~ドクターストップ NHK
1984 新・夢千代日記 NHK
女殺油地獄 NHK
<映画>
作品 監督
1973 狼の紋章 松本正志
1974 竜馬暗殺 黒木和雄
1977 人間の証明 佐藤純彌
1978 最も危険な遊戯 村川透
殺人遊戯 村川透
1979 蘇える金狼 村川透
処刑遊戯 村川透
1980 野獣死すべし 村川透
1981 ヨコハマBJブルース 工藤栄一
陽炎座 鈴木清順
1983 家族ゲーム 森田芳光
探偵物語 根岸吉太郎
1985 それから 森田芳光
1986 ア・ホーマンス 松田優作
1988 嵐が丘 吉田喜重
華の乱 深作欣二
1989 ブラック・レイン リドリー・スコット


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俳優・松田優作13回忌 39歳の死、今に生きる

2001年11月16日 読売新聞、夕刊

凶暴な殺人者から寡黙な芸術家、そして三枚目と幅広い役柄で強烈な印象を残した俳優・松田優作。39歳の早過ぎた死から、13回忌を迎えた2001年秋、出演作のDVD発売や、松田を素材にしたゲームソフト、CDなどの制作が相次いでいる。今なおファンを魅了してやまない人気の秘密を探った。

若いファン焼香に続々

2001年11月6日、東京・三鷹の法専寺で松田の13回忌法要が行われた。映画監督の鈴木清順をはじめ、「竜馬暗殺」の原田芳雄、「ア・ホーマンス」の石橋凌らゆかりの共演者や、松田と仕事をしたカメラマン、照明スタッフに加え、「母親がファンだったという」浅野忠信や、江角マキコら若手俳優も参列した。

一般ファン向けの焼香所にも約300人が訪れた。リアルタイムで松田に触れたことのない若いファンが目立った。

午前6時半に一番乗りした大学生の国分健一さん(21)は、「高校生の時に『探偵物語』の再放送を見てファンになった。自分のスタイルを持っているところがカッコいい」とあこがれを語り、栃木から駆け付けた大学生の高木栄治さん(22)は、「今生きていたらどんな作品に出ていたか、いつも考えます」と松田の死を惜しんだ。

ブーム再燃「探偵物語」

若い参列者からは、テレビドラマの「探偵物語」を見てファンになったという声が圧倒的だった。この作品は、1979年に日本テレビ系で放送されたアクションコメディー。松田は企画段階からかかわり、音楽や予告編の台本にまで目を光らせた。

主人公は米国帰りの私立探偵・工藤俊作で、アフロヘア、黒い帽子、黒いスーツ、派手なシャツに身を包み、イタリア製のスクーターに乗って駆け回る。

松田は、アニメの「ルパン三世」をイメージしながら、冗談半分、本気半分のような主人公を、デビュー直後の脚本家・丸山昇一らとアイデアを出し合って作り上げた。

現在のブーム再燃は、1996年初夏の再放送がきっかけ。さらに、木村拓哉が工藤のまねをしたり、この作品を使った缶コーヒーのCMが放送されたりして、松田人気が加速していった。

新作CDやCGキャラ

「探偵物語」は音楽界でも再評価されている。当時は珍しかった英語歌詞によるオープニングテーマ「Bad City」などを再編集した新作CD「探偵物語Remix~これにて一件落着」(ソニー)には、元ピチカート・ファイヴの小西康陽やスケボーキングのSHIGEO、DJの池田正典や須永辰雄ら旬の顔ぶれが参加した。

2001年10月には東京・渋谷のクラブでCD発売を記念するイベントも夜通しで開かれたほか、「Bad City」などを歌ったロックバンド、SHOーGUNの2枚組みベスト盤も発売された。

この盛り上がりの中、10月には、松田がかかわった作品やイベントを手がける16の団体で、「松田優作プロジェクト」が発足している。

その中でユニークなのは、2002年3月にカプコンが発売するゲームソフト「鬼武者2」だ。主人公は松田そっくりのCG(コンピューター・グラフィックス)キャラクターで、戦国時代の山野をワイルドに疾走する。「30代にとってはヒーロー、10代、20代にもかっこいい存在」(稲船敬二プロデューサー)と世代を超えた人気を理由に起用を決めた。

2002年は、松田の資料集「SOUL RED」(扶桑社)、妻で女優の松田美由紀が夫の思い出などをつづった本(幻冬舎)の出版に、「松田優作展」(渋谷パルコ)の開催が予定され、ブームはまだまだ続きそうだ。

脚本家・丸山昇一が語る思い出
見込んだ人は責めた 余白に脚本家以上の書き込み 半端じゃない読書量

松田優作の魅力について13回忌の参列者に聞き、「探偵物語」などを手掛けた脚本家の丸山昇一に解説してもらった。

「いつも張っていた。一緒にいるとサボれなかったわね」(女優・桃井かおり=「春が来た」で共演)

「24時間、いや36時間も張りつめていた。話す時は絶対に目を離さなかった。彼は俳優になる夢を実現したが、ずうたいがでかいので同じようなアクションばかりやらされた。理論武装して戦わないと日本の映画界はダメになり、自分も一役者で終わると危機感を持っていた。読書量は半端じゃなかったですね」

「ち密に事前の努力をした人でした」(俳優・真田広之=飲みながら将来の共演を話し合っていた)

「脚本の余白には脚本家以上に書き込みをしていた。自分の役以外に、映画全体を見渡してこの場面でどうするべきかが書かれてあった。監督は現場でいろいろ聞かれる度に答えを出さないといけなかった」

「目線と手の動きが好き」(大学生・菊地直子=「探偵物語」でファンに)

「目線は役者の命。目線を落としたり、まっすぐ上を見るといったことに気をつけて脚本を書くよう注文された。演技プランはかなり細かく計算していました」

「2人でバーに行くと客がいなくなった。どうやら暴れたらしい」(ロック歌手・内田裕也=1年のうち265日は飲んだ)

「才能を認めた人は責めましたね。見込んだ人がやる気を見せないとパンチが一発は飛んできた。言葉の攻撃もすごかった。僕も『お前の持ってるものは、もっとあるはずだ』とよく言われたものです」

「アイデアを思い付くと、夜中でも電話をかけて来て「会いたい」と言ってきた。今生きていたら?とよく聞かれるが、想像がつきませんね。だからこそ想像力をかき立てるのでしょう」